フランス リヨン
2002年から2008年まで、オリンピック・リヨンはリーグ・アンで7連覇を果たし、その記録は今も破られていません。この驚くべき活躍後、クラブは自分たちの願望に沿ったスタジアムが必要だと判断し、その建設をPOPULOUSに依頼しました。
オリンピック・リヨンは明確な目標をもち、新本拠地の計画に取り組みました。まず彼らは、国際トーナメントやイベントを開催するために、UEFAが要求するすべての機能を備えた世界クラスの会場を希望しました。次に彼らが望んだのは、周囲の環境に配慮し、リヨンの人々が誇りに思える持続可能なスタジアムでした。最後に、そしておそらく最も大切にしたのは、クラブとサポーターの特別な関係を維持できる新しいホームであることでした。
私たちは、サポーターの体験こそがスタジアムの中心にあることを、誰よりもよく知っています。そこで私たちは、スタジアムへの「アプローチ」、施設の「発見」、そしてライブイベントの「熱気」という、三つの主要な設計領域に焦点を当てることで、その体験を強めることにしました。農地と郊外の住宅地に囲まれたこのスタジアムは、付近の森林を美しく模したキャノピーをもつ巨大な屋根構造に囲まれており、周囲の景観の中でも際立つ存在です。夜になると、リヨンで毎年開催される有名な光の祭典にちなんで、キャノピーがライトアップされ、数マイル先からでも見えるオリンピック・リヨンのビーコンに変身し、「アプローチ」がさらにドラマティックになります。
屋根のキャノピーはスタジアムを囲むポディウムの大部分にまで広がっており、訪問者はここでまず、ポップアップ、屋台、ライブパフォーマンスエリアなど、イベントの前後に集まることができるさまざまな空間を「発見」します。イベント以外の日は、地元の人々が1年を通してさまざまな活動に利用できる公共スペースになります。
観客席の内側にも伸びる屋根のキャノピーが、59,186席を覆って観客を天候から守り、観客の応援の声を増幅して「熱気」を生み出します。オリンピック・リヨンのファンが互いに歌うという伝統は、北スタンドと南スタンドの独自デザインに反映されており、試合中に圧倒的な声援を生み出します。スタジアムを訪れるすべての訪問者が、バー、会議室、キッチン設備、宴会場、八つの企業ラウンジ、100を超えるエグゼクティブスイートなど、すばらしい施設を利用できます。
三つの主要な設計要素を結び付けたPOPULOUSの観客誘導とサイネージ戦略により、スタジアム内の移動が容易になり、周辺の駐車場や公共交通機関から観客席まで、ファンを誘導します。このブランディングはクラブのアイデンティティを呼び起こしており、可能な限り建物の表面に直接ペイントした、すぐに認識できるターゲットサインを使用しています。吊り下げ式のサインは非常時にのみ使用することで、視覚的混乱を削減しています。ウェイファインディングは、日光、暗闇、人工照明の下でも機能し、屋外でも高級スイートでも適切に見えるよう設計されています。
「グルパマ・スタジアムは、建物に入る前からその格別な雰囲気を感じられ、それが場内にも続いて変わることのない、美しいスタジアムです。クラブのすべての願望、特に、チームが帰属意識をもてる真のホームを築くという希望が、POPULOUSの手により完全に実現しました」
20,000〜60,000人の観客に対応できる柔軟性を備えたグルパマ・スタジアムは、すでに数多くの主要イベントを開催してきました。2016年のUEFAユーロでは、ウェールズと最終優勝国ポルトガルの準決勝を含む6試合がここで開催され、フランスの雑誌『ル・モニトゥール』では同大会最高のスタジアムと評価されました。2017年にはパリ以外で初めてクープ・ドゥ・ラ・リーグ決勝が開催、2018年にはヨーロッパリーグ決勝がリヨンで行われ、2019年にはFIFA女子ワールドカップ決勝の舞台となりました。サッカー以外では、欧州チャンピオンズカップ決勝や2023年ラグビーワールドカップの5試合を含むラグビーの試合や、エド・シーラン、ラムシュタイン、ローリング・ストーンズといった音楽界の大スターによるコンサートが開催されてきました。