ルサイル・スタジアム

ドーハの北15キロにあり、未来的景色が広がるルサイル・シティに位置するルサイル・スタジアムは、2022 FIFAワールドカップのために建設された八つの会場の中で最大のもので、収容人数は8万人です。

スタジアム設計を担うフォスター・アンド・パートナーズおよびスタジアムエンジニアのアラップと緊密に連携し、ポピュラスは指定スポーツアーキテクトとして、座席と関連施設の設計を担当しました。求められたのは、スタジアムの観客だけでなく、自宅で観戦する何十億人もの人々に、世界クラスの試合当日の体験を提供することでした。

作業対象にはFIFAコンプラアンスも含まれており、FIFAピッチエッジの電子境界ボード、FIFA専用カメラ・ポジション、メディアのプレゼンテーション用プラットフォーム、選手・関係者用施設、VVIP用シート300席とVIP用シート1,700席を含むVIPセクション、および上階西側一般入場（GA）層にある大規模なメディアエリアの設計要件に対応しました。

最高の雰囲気を演出するという設計チームの全体構想に沿って、観客席エリアを「放射状」の片椀型にし、3層からなるシームレスなスタンド構成にしたため、座席が埋まると、客席全体がフィールドとつながる密接な体験が生まれます。この形状により、観客はフィールドに可能な限り近づくため、臨場感が高まり、想像できないほど親密で没入感のある体験が可能になりました。

各階層は、利便性を重視した2ゾーン構成となっています。最下層の一般席は上半分と下半分に分けられ、中間層には西側スタンドにVVIP席とVIP席のセクション、その他がホスピタリティ席とボックス席のセクションとなっており、上層の一般席もまた上半分と下半分のゾーン分けで、上のゾーンは東側と西側に振り分けられたスタンド席となっています。 判読性の高い観客誘導オーバーレイ戦略が開発され、この複雑な国立競技場を初めて訪れる何千人もの観客が容易に移動できるようになりました。 ワールドカップ閉幕後、スタジアムは再び満員の観客を迎え入れ、AFCアジアカップ決勝戦ではカタールが優勝しました。